夢で見た話2

夢の話

夢の中で私は寝ていた。
ふと、喉が渇いて目が覚めた。あまりにも部屋が真っ暗で電気をつけようと布団の中から手を伸ばすが、いつもなら手に当たるはずのコードが見当たらない。真っ暗な中、立ち上がり、手を空に伸ばした。ピンと張った糸に手が触れ、ああ電気のコードだと思った。そのまま下に引いたが電気はつかない。なにかに引っかかっているのかスイッチが入らない。紐の先を解こうと指を伝わらせた。どうやら紐はテーブルの下に続いているようだ。早く明かりが欲しいので糸に触れながら腕をそのままテーブルの下に差し込んだ。その瞬間、なにかが私の手を強く引っ張った。衝撃で膝から崩れ落ちた、テーブルの下に引きずり込まれるかと思ったが、肩がテーブルの角にぶつかり、止まった。しかし、「何か」は私の手を引っ張り続ける。ギリギリと音が聞こえてきそうだ。痛みを押し殺しながら腕を引き抜こうとする。また引っ張られて逆戻りした。今度は、指先にぬるっとした感触が伝わってきた。暖かで柔らかなものに包まれながら、不規則に湿った風が吹きかけられる。「何か」が私の手を咥えたようだ。大きな舌のようなものが私の指を這うように動く。ゆっくりと味わうように、ぬらぬらとした液体が私の指に付着していくのに大変な不快感と恐怖を覚えた。相変わらず引き抜こうとしても引き抜けない。私はじっとしていた。その温かなものは私の肘までじわじわと覆い尽くした。首を動かし、テーブルの下の暗闇に目を向けた。そこには何もいなかった。
では、一体何が私の手を食んでいるのか。

暗闇がじわりと動いた気がした。私はそこで意識を手放した